金600タラント

2歴3:8「ついで、至聖所を造ったが、その長さはこの神殿の幅と同じ二十キュビト、その幅も二十キュビトとし、これに六百タラントに当たる良質の金を着せた」
タラントに関しては諸説ありますが、古代イスラエルとイエス様の時代では価値が違うようです。歴代誌に出てくるタラントを34キログラムだとするなら、600タラントは20トン余りになります。また、イエス様の時代では1タラントは1000デナリだと言われており、1デナリは1日分の賃金です(マタ20:2)。どちらの時代でもタラントという単位が出てくるなら高額、あるいはかなり重い重さだといえます。古代イスラエルでは重さの単位として登場しますが、時代の流れとともに貨幣価値に移行し、イエス様の時代ではもっぱらお金の単位として登場します。それにしても、神殿の至聖所だけで600タラントの金、しかも「良質」だと書かれており、いかに神殿に対する思いと情熱が強かったかがうかがい知れま す。「良質」のヘブル語は「towb(トウブ)」で「良い」とか「すぐれた」という意味です。ただ金を多量に揃えてかぶせたのではなく、その金の質にもこだわっており、おそらく混じりけのない24金クラスの純金が使われていたと思います。もし現代で神殿の至聖所だけを再現したとしても、とんでもない神々しさが中に満ち溢れることでしょう。