罪深い女

ルカ7:38「泣きながら、イエスのうしろで御足のそばに立ち、涙で御足をぬらし始め、髪の毛でぬぐい、御足に口づけして、香油を塗った」
よく似た話がヨハネにも書かれています(ヨハ12:3)。しかし、ヨハネの場合は、女はマリヤとされ、姉マルタと兄弟ラザロが登場していることから彼らの姉妹マリヤだと思われます。マリヤが高価なナルド油をイエス様の足と頭に塗ったのに対して、ここでは「涙」で足をぬらし、「髪の毛」でぬぐった…とあります。マリヤという名前からこの女がマグダラのマリヤだと混同している人も多いようですが、ヨハネに登場するマリヤとここに出てくる女はまったく別の女です。女性で罪深いとなると娼婦だった可能性もあります。どうやってこの女がパリサイ人主催の食事会に入れたかはわかりませんが、彼女はあたかも侍女のように振る舞い、外から入ってきたゲストの足も洗わなかったパリサイ人や弟子たちに代 わって、イエス様におもてなしをするのです。足を洗うことも、頭に油を塗ることも同じ意味があります。それは、外で付いたほこりを部屋の中で撒き散らさないための知恵でもありました。パリサイ人たちは食事には招いたものの、ゲストに対して足を洗う水も出していなかったのです。イエス様を本当に大切に思ったのはこの女だけでした。