聖書を読んだか?

ルカ6:3「イエスは彼らに答えて言われた。「あなたがたは、ダビデが連れの者といっしょにいて、ひもじかったときにしたことを読まなかったのですか」」
パリサイ人の言った「安息日にしてはならない(2)」とは、おそらく弟子たちの「麦の穂を摘んで、手でもみ出して(1)」という行為が、収穫の作業のように見え、労働に相当することだと思われます。それに対し、イエス様は聖書を引用して反論しています。「読まなかった」のギリシャ語は「anegnote(アネグノーテ)」で、「読む」のほかに「知識」や「理解」という意味もあります。イエス様ご自身が活躍されたときには、新約聖書はなかったわけで、イエス様の引用するみことばはすべて旧約からのものです。一般的に律法の書かれたモーセ5書が聖書として用いられたように思われていますが、イエス様の引用したのは詩篇(ヨハ10:34)、イザヤ(4:17)、申命(4:3)、ヨナ(11:29)、などモーセ5書以外からも多数で、ここでは1サムエル21章6節からの引用でした。特にパリサイ人には聖書からの引用で応え るようにしていたように思えます。たとえ神のことばであっても、解釈のしようによっては良くも悪くもなり、パリサイ人の行なっていたのは自分の権威を守るためのもので人を生かすものではありませんでした。イエス様はそれを正そうとしたのです。