底知れぬ所

ルカ8:31「悪霊どもはイエスに、底知れぬ所に行け、とはお命じになりませんようにと願った」
悪霊が「底知れぬ所」を嫌がったのは、その場所に行くなら閉じ込められることを知っていたからだと思います。黙示録では、第5番目のラッパが吹かれると底知れぬ穴が開けられることが書かれています(黙9:1)。そこが一旦開かれるなら煙とともに、さそりの毒を持ついなごが放たれます(黙9:3)。このいなごと呼ばれる生き物は人を苦しめることが許され、ヘブル語でアバドンといい、ギリシヤ語でアポリュオンだと名前まで記されています(黙9:11)。もし、イエス様がレギオンに対して底知れぬ所へ行くことを命じたならば、終わりの時代の第5のラッパが吹かれるまで出てくることができなくなるでしょう。それよりは地上で人を誘惑して神に逆らったほうが彼らにとっては有利だと考えたのだと思います。創造主に対して地上に残して欲しいと願うのは、また人を傷つけたり、罪を犯させたりすることを認めてくれ…と願っているのと同じです。彼らは豚を殺すことはできますが(33)、人に直接触れていのちを奪うことは許されていないのです。イエス様がレギオンを滅ぼさずにいたのは、人がレギオンに勝ち栄光を表せることを願っていたのだと思います。