7をテンポよく散りばめ

エステル1:1「アハシュエロスの時代のこと―このアハシュエロスは、ホドからクシュまで百二十七州を治めていた―」
アハシュエロスはダリヨスの次の王で、クロス→ダリヨス→アハシュエロス→アルタシャスタと王は代わっていきました。エズラ記のクロス王から始まった神殿再建がダリヨス王が即位するまで中断されたことが書かれています(エズ4:5)。つまりエズラとネヘミヤとエステル、さらにモルデカイは同時代に生きたユダヤ人たちです。エステル記1章と2章には「すべての民のための宴会7日間(5)」「7日目に王が酒で陽気になり(10)」「7人の宦官(10)」「ペルシャとメディアの7人の首長たち(14)」「7人の侍女(2:9)」と「7」という数字が続き、最後にエステルが王に召されたのが「王の治世7年目(2:16)」となっています。何かをしようとするときは7日、人数を選び出すときには7人と決められていたようです。エステルが召された治世の7年目が偶然だとしても、アハシュエロス王が「7」という数字を好んでいた、あるいはこだわっていたことがうかがいしれます。テンポよく7という数字を散りばめて、エステルが王妃になる様子が描かれており、文学的にも評価の高いエステル記です。