決死のエステル

エス3:15「急使は王の命令によって急いで出て行った。この法令はシュシャンの城でも発布された。このとき、王とハマンは酒をくみかわしていたが、シュシャンの町は混乱に陥った」
王の命令とは「すべてのユダヤ人を根絶やしにし、殺害し、滅ぼし、彼らの家財をかすめ奪え(13)」というものです。これが発表されたのは1月で(12)実行されるのは12月です(13)。王はすでにハマンに指輪を渡していました(10)。王の命令に王の名前が書かれ、王の指輪の印が押されてはいたもののハマンの計略でした(12)。ハマンはユダヤ人を滅ぼせば銀1万タラントを王の金庫に納めると王を口説いたのです(9)。命令の発令後、2人は酒を酌み交わしていた…とあります。たとえペルシャが強くてもその中で1つの民族を故意に滅ぼすことはとんでもないことです。もっと突き詰めるなら、イエス様が誕生できなくなる可能性があります。ユダヤ人たちはこの異常事態になすすべを知りません。唯一の望みが王の側近にいたエステルです。 エステルは王に謁見するために命を賭けることを決意し、シャシャンにいるユダヤ人に断食を呼びかけます(4:16)。エステルが王に呼ばれてもいないのに王の前に立ち、謁見を求めることがいかに難しいことかがわかる出来事です。