赤い馬とミルトス

ゼカ1:8「夜、私が見ると、なんと、ひとりの人が赤い馬に乗っていた。その人は谷底にあるミルトスの木の間に立っていた。彼のうしろに、赤や、栗毛や、白い馬がいた」
赤い馬は黙示録によれば地上から平和を奪い去ることができるもので、これに乗る人は大きな剣を持っています(黙6:4)。ミルトスは日本名「銀梅花」で常緑植物で枯れることがないゆえに不死の象徴とされ、ローマでは月桂樹とともに勝利の冠が作られた記録があります。イザヤ書ではミルトスがおどろの代わりに生え永遠のしるしとされる、とあります(イザ55:13)。また、ミルトスのヘブル語「hadac(ハダス)」は、エステルのヘブル語名「hadaccah(ハダサ)」と同意語でエステルは本名が「ミルトス」ということになります(エス2:7)。この馬に乗った者は全治を巡り「全地は安らかで、穏やかでした(11)」と語ります。しかし、主は「わたしが少ししか怒らないでいると、彼らはほしいままに悪事を行なった(15)」と言い、放っておいたらいつまでも神殿建設の再開をしないユダヤ人をいさめます。ゼカリヤとハガイは全く同時期の預言者で、ハガイは神殿再開を催促する預言でしたが、ゼカリヤの預言は終末を予感させるものです。さらにさばき(7章)、メシヤ再臨(9章)、終末(10章)と深い預言が続きます。