必ず死ぬ

創3:1「さて、神である主が造られたあらゆる野の獣のうちで、蛇が一番狡猾であった。蛇は女に言った。「あなたがたは、園のどんな木からも食べてはならない、と神は、ほんとうに言われたのですか」」
蛇の第一声は「園のどんな木からも食べてはならない」というもので、主が言われた「園のどの木からでも思いのまま食べてよい(2:16)」と真逆の内容でした。エバの答えの中に「死ぬといけないからだ(3)」とあり、あたかも主が死ぬことを気遣っているかのようですが、実際には「必ず死ぬ(2:17)」と言われたのです。ところで生まれたばかりのアダムとエバに「死」という概念は伝わったのでしょうか?人類の歴史は始まったばかりで誰も死んでいません。それはカインやアベルにも同じで、カインはどのようにして弟を殺そうと考えたのか不思議です。930年生きた(5:5)アダムは「主は必ず死ぬと言われたが、それはいつのことだろうか」と思ったかもしれません。アダムの子供たちも900歳越えの長寿の中、アベルだけが死にました。死は人の時間ではなかなか実現しませんでしたが、ペテロが言うよ うに「主の御前では千年は一日のよう(2ペテ3:8)」だとするなら、人は1日も生きながらえることができなかったのです。やがて「死」は人を支配し始め、「罪」は人の最大の難問になっていきます。