初めから悪であるからだ

創8:21「主は、そのなだめのかおりをかがれ、主は心の中でこう仰せられた。「わたしは、決して再び人のゆえに、この地をのろうことはすまい。人の心の思い計ることは、初めから悪であるからだ。わたしは、決して再び、わたしがしたように、すべての生き物を打ち滅ぼすことはすまい」」
神が二度と地をのろうことをしない、と言われたその理由は人の心が最初から悪だからだと述べています。「初めから」のヘブル語は「naur(ネウリーン) 」で新共同訳や口語訳では「幼いときから」と訳されています。しかし、洪水を起こしたのは「その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾く(6:5)」からだと言われています。ノアは正しい人でしたが(6:8)、洪水が終わった後に人類は平和に暮らした…という事実はありません。やがてノアの子孫アブラハムの時代には、ソドムやゴモラのような堕落した町が登場したりして、罪を一掃したように見えても、人が人である限りその肉のゆえに罪がなくなることはありませんでした。むしろ、ノアの時代の洪水は神の子が人間の女をめとり、ネフィリムが地上に増えたためだと言えます(6:1-4)。天から落ちた天使たちと罪を犯した人の女から生まれた子は、神が最初に設計した人間のものとはかけ離れていたのです。何よりも天使のDNAが入ってしまうと、その後イエス様が生まれる計画が根底から崩れてしま います。人の思いが最初から悪であっても、それでも人を愛した神の思いがここに書かれているのだと思います。