ハランから出発

創11:31「テラは、その息子アブラムと、ハランの子で自分の孫のロトと、息子のアブラムの妻である嫁のサライとを伴い、彼らはカナンの地に行くために、カルデヤ人のウルからいっしょに出かけた。しかし、彼らはハランまで来て、そこに住みついた」
地名の「ハラン」と人名の「ハラン」は日本語表記では同じなのでちょっとわかりにくいですが、ヘブル語でも地名「charan(ハラーン)」と人名「haran(ハラーン)」とほとんど同じです。アブラハムたちはもともとカルデヤの地ウルに住んでいました(28)。ウルは現在のクウェートイラクの境目当たりの土地で紅海の北西にあたる土地です。そしてテラの時代にハランまで来て住み着きました。このハランは現在のトルコ東部とシリアとの国境に近いところにあり、約束の地から見れば北北東約650キロに位置します。アブラハムはこのハランにいるときに主から声をかけられたのです(12:1)。ウルからハランまではユーフラテス川沿いに進み、アブラハムの時代の旅は水から離れないようにしていたことがわかります。さ らに、ネゲブでききんがあったと記されています(12:10)。ネゲブは現在でも砂漠と隣接している土地として有名です。主の示された土地にすんなり入れなかったのはアブラハムだけではありません。その後モーセヨシュアとつながり、主が約束のものを与えるときに必ず試練を通すことがわかります。