年長者が知恵深いわけではない

ヨブ32:9「年長者が知恵深いわけではない。老人が道理をわきまえるわけでもない」
エリフは3人にヨブを正しい道に導いてくれることを期待していました。それは「日を重ねた者が語り、年の多い者が知恵を教える(7)」という発言から見てもわかります。ところが、3人は答えるのをやめて黙ってしまいます(1)。経験豊かな彼らでもヨブを説得できないのなら、若輩の自分が発言してみようと考えたのでしょう。「年長者」のヘブル語「rab(ラアブ)」はもともとは「多くの」とか「偉大な」という意味があります。多くの年月が必ずしも多くの悟りをもたらすわけではない、という意味だと思います。ヨブの3人の友人は「あきれて」いたとあります(15)。ヨブの自分は間違えないという態度があまりにも頑固で融通が利かないと分かったからです。ヨブは人生の最悪の時に、ただ呆然として神の前にうなだれていたのです。エリフの心の底にはヨブを助けたいという思いがあったの だと思います。若くても悟れる人はいるでしょう。エリフは自分の持てるだけの悟りでこれからヨブを説得しようと試みるのです(17)。