心を留めなかった

出7:23「パロは身を返して自分の家に入り、これに心を留めなかった」
エジプトの呪法師たちが同じことをしたのなら、被害は倍になってしまいます。「これに」の「これ」はモーセたちの起こした技のことか(21)、エジプトの呪法師たちが同じようにナイルの水を血に変えたことかははっきりしませんが(22)、パロの性格ははっきりしてきました。エジプトの民がどんなに苦しもうともパロは気にも留めなかったのです。百歩譲ってへブル人を恐れて、苦役を課しエジプトの支配下に置こうとしたのならわかります。しかし、呪法師たちがモーセの行ったわざと同じことをしてしまったのなら、もっとひどい目にあってしまいます。パロは自国民の苦しみでさえ、憐れもうとしない王だ ったのです。それでもモーセの行なう災いは、回を増すごとに悲惨さを極め、エジプトの呪法師たちもついていけなくなってしまいます(8:19)。もちろん背後には主が働かれており、パロの強情さは主がそうさせたからです。後世の我々は最初から主が働かれているのを読んで知っていますが、当時の人々の驚きは相当なものだったと思われます。どんなにわかっていても現実が目の前に起きたとき信仰は試されるのです。