三日の道のりの旅

出5:3「すると彼らは言った。「ヘブル人の神が私たちにお会いくださったのです。どうか今、私たちに荒野へ三日の道のりの旅をさせ、私たちの神、主にいけにえをささげさせてください。でないと、主は疫病か剣で、私たちを打たれるからです」」
パロの言い分ももっともです。見ず知らずの人から、聞いたこともない神がヘブル人を連れて行くと聞かされているのです。こんな奇天烈な話はないでしょう。モーセたちは荒野に3日の道のりを旅させ…と申し出ていますが、現在のエジプトのカイロからベエル・シェバまでは360キロほどありますから、3日の道のりでは荒野のど真ん中に到着することになります。普通の大人なら10日ほどで着ける距離ですが、300万とも400万人ともいわれるヘブル人全員が旅をするなら2~3週間はかかったでしょう。それでもパロの心を動かすきっかけとして「三日の道のり」は、「たった三日だけ」というニュアンスであたかも、荒野で主にいけにえを捧げたらすぐに帰ってくると思わせたかったのだと思います。しかも、従わ なければ主がヘブル人を疫病か剣で打つというおまけつきです。実際に主がモーセに言われたのは「あらゆる不思議で、エジプトを打とう(3:20)」というもので、痛い目にあうのはエジプトのほうです。最初のモーセの交渉はパロを刺激しないよう、オブラートに包まれた言い方でスタートしています。