ボアズが引用した律法

レビ25:25「もし、あなたの兄弟が貧しくなり、その所有地を売ったなら、買い戻しの権利のある親類が来て、兄弟の売ったものを買い戻さなければならない」
このルールによりルツはボアズに買い戻されました(ルツ4:10)。しかしボアズよりもエリメレク(ナオミの夫ルツ1:2)に近い親類がいたので、ボアズの買い取り順位は2番目でした(ルツ4:4)。ボアズはこの親類に土地を買い戻すように持ち掛けます(ルツ4:4)。ところが事態は土地を買い戻すだけという単純なものではなかったのです。エリメレクはベツレヘム出身のエフラテ人であり、やがて誕生するダビデの家系でした(1サム17:12)。エフラテはラケルが葬られた場所でもあり(創35:19)、ユダヤ人には思い入れのある土地です。その血筋が絶えることは許されません。ボアズは買い取り上位の親戚に土地だけの買い取りでなく、ルツも買い取りエリメレクの血を絶やさないように子供 を作らなければならないと訴えます(ルツ4:5)。このレビの律法だけならば土地だけの話ですが、律法にはレビラト婚という制度があり(申25:5,マタ22:24)、それをボアズは持ち出したのです。律法は1つだけを守るのでなく、状況に合わせて複合的に適用しなければなく、ユダヤ人は律法に精通していたためにボアズとルツは結ばれたのです。