ヒソプを取って

民19;18「身のきよい人がヒソプを取ってこの水に浸し、それを、天幕と、すべての器と、そこにいた者と、また骨や、刺し殺された者や、死人や、墓に触れた者との上に振りかける」
ヒソプには何か殺菌作用でもあるのでしょうか?旧約のヒソプはヘブル語で「ezowb(エゾウブ)」で、現代で使われているハーブの一種の「ヒソプ」とはちょっと違うようです。むしろハッカに近いもので、食べても害がなく、水に溶かすならアルコールのような働きもします。最も古くに聖書に登場するヒソプは出エジプトで過ぎ越しの際に、柱やかもいに血を塗る場面です。聖書には「鉢の中の血に浸し、その鉢の中の血をかもいと二本の門柱につけなさい(出12:22)」と書かれ、刷毛のような役割をしていました。また、イエス様の十字架のときに「酸いぶどう酒を含んだ海綿をヒソプの枝につけて、それをイエスの口もとに差し出した(ヨハ19:29)」とあり、十字架刑の罪人にヒソプ入りのぶどう酒を飲ませ痛みを麻痺させていたことがわかります。そして民数記では、きよめるためにヒソプを使いさらに7日間の時間、人から隔離させ安全を確保しています(11,16)。21世紀の人が聖書を読むときには医学や疫学の知識がある程度あり理解できますが、4000年も昔となると人には理解できず、ただ主に従うのみでした。