夜問いただされる

詩17:3「あなたは私の心を調べ、夜、私を問いただされました。あなたは私をためされましたが、何も見つけ出されません。私は、口のあやまちをしまいと心がけました」
ダビデは主が心を探り、上っ面だけで体裁を整えようとする者の考えを見破ることを知っていました。それゆえ、自分に対しても厳しく戒め、もし主ご自身がダビデを調べたとしても悪い動機がないことを示そうとしています。「問いただす」のヘブル語は「tsaraph(ツァラーフ)」が使われており、「嗅ぎ分ける」とか「精錬する」などの意味があります。そして主の調べは夜に行われました。昼間活動する時間ではなく、夜に思いを巡らせるときに主は探られたのです。悪者は暗闇で悪だくみを巡らせ「弓を張り、弦に矢をつがえ、暗やみで心の直ぐな人を射ぬこうとしている(11:2)」とあります。光と闇は神によって区別されました(創1:3)。それは主の栄光が輝くためのものであり、悪者は暗闇を好みます。さ らに主は心の中だけではなく、どのような言葉を口にするかも調べておられます。ダビデはこのことについても、十分に気を配っており、悪口や非難の言葉を控えたのでしょう。主に訴えるには自分の罪を棚に置いて助けてくださいとは言えないものです。ダビデの訴えは自分を制御して、整えられたことの証しだと思います。