よみから引き上げ

詩30:3「主よ。あなたは私のたましいをよみから引き上げ、私が穴に下って行かないように、私を生かしておかれました」
30篇はこの歌の冒頭にダビデが家を捧げる歌…だとあります。「家」のヘブル語「habbayi(ハバーイ)」で、ダビデは神の家を建てることを神に禁じられていたので(1王8:19)、ダビデ自身の住むところが完成したときに主に捧げた歌だと思われます。この節を文字通りに理解するならダビデのたましいは「よみ」にあり、深い穴へ落ちる可能性もあったと読めます。そして「生かしておかれました」というのは命ある者として、地上にとどめたという意味です。ダビデのたましいがどういう経緯で「よみ」にあったのかはわかりませんが、すべての人は罪を犯しよみに下っていくのだとするなら、ダビデも普通の人と同じように扱われたのでしょう。しかし、生かされたのはダビデが主を求めたからです(2)。死ぬべ き者が生かされるのは、聖書に書かれている福音そのもので、その恩恵を受けるにはイエスキリストが人類の罪のためにいのちを捧げられたことを信じる信仰が必要です(ガラ2:16)。ダビデの時代には十字架の救いはありませんでしたが、ダビデは生かされる意味を理解していました。