ダビデのマスキール

詩32:0「ダビデのマスキール
マスキールだとタイトルにある詩は詩篇に13篇あり、この32篇は最初にマスキールが登場する詩です。ヘブル語「maschil」は英語表記では「maskil」とする訳もあり、具体的な意味を訳しているものはありません。おそらく音楽用語か、スローな曲調のことを示す言葉なのだろうと思われます。マスキールそのものの意味には「悟り」とか「教訓」というものがあり、主から何かを学び教訓を得たときに歌う特別な調べがあったのかも知れません。とにかくマスキールを歌ったのはダビデ以外にコラの子たち(42,44,45篇)、アサフ(77,78篇)、コラの子に交じってエズラフ人ヘマン(88篇)、エズラフ人エタン(89篇)の4人の名前が残されています。そのどれも試練にあったとき、主がいかに助けてくださったか、あるいは守られたかを歌っているものが多く、やはり「悟り」「教訓」を示唆する内容の詩になっています。ダビデについて言えば、忠誠を尽くしたサウルに妬まれ、命を狙われるという難しい立場を経験しています。決して手を下してはいけない油注がれたサウル王に対して、主への信頼だけがダビデの武器だったのです。