彼らは

ロマ1:32「彼らは、そのようなことを行なえば、死罪に当たるという神の定めを知っていながら、それを行なっているだけでなく、それを行なう者に心から同意しているのです」
「彼ら」は1章を通してずっと語られているある特定の人を指します。それはおそらく「不義をもって真理をはばんでいる人々(18)」のことを言っているのだと思います。新改訳では1章だけで「彼ら」が13回使われており、英語でも「they」あるいは「them」となっています。ギリシャ語では3人称を表す「autos(アウタス)」が使われ、語尾の変化から男性名詞となっています。ギリシャ語では「彼」なのか「彼ら」は単語だけでははっきりしませんが、「不義をもって真理をはばんでいる人々(18)」で使われている「人々」に相当するギリシャ語が「anthropos(アンソロポス)」という「人類」や「人間」を指す大きなくくりの単語のため、その後で使われる「autos(アウタス)」は「彼ら」と訳されています。パウロによれば「彼ら」は自分の行いが死罪に相当することも承知の上で、違反を繰り返し、また死罪につながる行いをする者をバックアップするような立場を取っているのです。イエス様は「私に反対しない者は私の味方です(マコ9:38)」と言われましたが、その反対の者は敵であり、「彼ら」は死罪にあたるのです。