マルコ16章9節以降

マコ16:9「さて、週の初めの日の朝早くによみがえったイエスは、まずマグダラのマリヤにご自分を現わされた。イエスは、以前に、この女から七つの悪霊を追い出されたのであった」
8節までではイエス様が本当に復活されたかどうかがわかりません。他の福音書のように実際に弟子たちの前に立ち、甦られた様子は福音書には欠かせない要素だと思います。マルコの福音書の最大のなぞは9節以降は誰によって書かれたか?というものです。しかもマルコの福音書は正典から漏れることなく4つの中の1つとして選ばれました。聖書の編纂については、旧約ではヤムニヤ会議(90年)で39書簡が選ばれ、新約ではカルタゴ会議(397年)で27書簡が決定されたとされています。ヤムニヤ会議はユダヤ戦争(70年)のわずか20年後に、正統なユダヤ教モーセ5書を含む39の書簡であるとする宗教決定です。これにより福音書などを持ち込んでいたキリスト教徒とユダヤ教徒は完全に分離してしまいます。新約 では多くの教派をまとめるために公会議が開かれ(ニカイヤ、コンスタンチノーブル)、その後経典を決めるための会議が設けられました。ヒッポ(393年)カルタゴ会議を経て現在の27書簡が決定され、マルコの福音書はその1つです。しかし正典であっても16章9節以降の謎は不明のままです。