兄弟アポロのこと


1コリ16:12「兄弟アポロのことですが、兄弟たちといっしょにあなたがたのところへ行くように、私は強く彼に勧めました。しかし、彼は今、そちらへ行こうとは全然思っていません。しかし、機会があれば行くでしょう」
使徒18章に初めてアポロの名前が出てきます(使18:24)。その記述によればアポロはアレキサンドリヤ生まれのユダヤ人で、雄弁で聖書に通じていた…とあります。アポロもまたパウロと同様に使徒の働きをしており、伝道旅行中のパウロやルカたちと交流があり、地域を決めて伝道をしていたようです(使18:28)。現在アポロはコリントにはいません。しかし、コリント人にとってアポロはパウロに匹敵する使徒であり、その働きのゆえに多くの支持を集めていました(1:12)。「私はパウロにつく」「私はアポロにつく」とコリント人が分裂したときも、ふたりはコリントにいませんでした(3:4)。アポロもまたパウロと同じようにコリントの分派に気を遣ってコリントへの訪問を避けていたのでしょうか?パウロはコリント の教会には問題があるけれども、直接行って指導し、励ましたほうがいいと考えていたようです。「兄弟」のギリシャ語「adelphos(アデルフォス)」は、血を分けた兄弟という意味もありますが、「主にある兄弟」という意味もあります。アポロはパウロにとって同志の関係だったのだと思います。