水は完全にせきとめられた

ヨシュ3:16「上から流れ下る水はつっ立って、はるかかなたのツァレタンのそばにある町アダムのところで、せきをなして立ち、アラバの海、すなわち塩の海のほうに流れ下る水は完全にせきとめられた。民はエリコに面するところを渡った」
モーセイスラエルを導き最後に宿営したのはエリコをのぞむ対岸の場所でした(民22:1)。エリコは死海の北15キロほどの距離にあり、エリコ周辺なら最大で20メートルほどのもので、紅海を割った奇跡を考えるならそれほどの長さではなさそうです。聖地旅行に行った人が、ヨルダンとイスラエルの国境を見るとき、そんなに川幅がないことに驚きます。それでも聖書には「ヨルダン川は刈り入れの間中、岸いっぱいにあふれる(15)」とあるので、もっと水かさがあり、かつ水深も深かったと思われます。とにかく12の石を川の中から運び出し(4:8)、、後世に伝えるように支持されているのは(4:21-23)、そう簡単な奇跡ではないことをにおわせています。なにしろ300万とも400万人ともいわれるイスラエルの民が家財道具や食料、家畜などを運ばなければならず、40年の荒野生活で行く手をさえぎられた経験のない彼らには一大事でした。水は民が渡り終わり、祭司たちの足の裏が乾いた土に上がったときに、元通りになりました(4:18)。たとえ川幅が短くても全長400キロ流れる水をせきとめる力は神の力以外のなにものでもありません。