見て、欲しくなり

ヨシュ7:21「私は、分捕り物の中に、シヌアルの美しい外套一枚と、銀二百シェケルと、目方五十シェケルの金の延べ棒一本があるのを見て、欲しくなり、それらを取りました。それらは今、私の天幕の中の地に隠してあり、銀はその下にあります」
このころは主の御心を知る方法として「くじ」が用いられ、4回くじを引いた結果、ユダ→ゼラフ→ザブディ→アカンと取り分けられました(16-18)。ここでは「くじ」のヘブル語「gowral(ゴラール)」は使われていませんが、取り分けられたという「lakad(ラハード)」が使われているのでおのずとくじを引いたことが分かります。人の判断はいつも安定しているものではなく、ときには迷い、誤り、どれも選べないことが多くあります。祭司はウリムとトンミムという(おそらく石)を懐に入れており、判断が分かれるときはこれを使用していました(出28:30)。とにかくくじは主の御心であり、それによって選ばれたアカンは分捕り物がいかにも美しく、輝きに目を奪われたことを告白しています。サタンの誘惑は異性の ものだけではないようです。詐欺の多くは、いかに人の想像を膨らませるかにかかっています。まだ目に見えないものでも、あたかも手に入れた気にさせるのが詐欺師の常とう手段であり、サタンの得意とするわざです。ましてや目の前にあるならなおさらです。アカンの心はあっという間にサタンに奪われてしまったのです。