杖と笏

イザ14:5「主が悪者の杖と、支配者の笏とを折られたのだ」
「杖」と「笏」にあたるヘブル語は「matteh(マテ)」と「shebet(シェベット)」になります。13章から続くバビロンに関する預言の中にサタンとおぼしき表記があり(12)、バビロンが悪の象徴としてとらえられていることが分かります。黙示録では「すべての淫婦と地の憎むべきものとの母、大バビロン(黙17:5)」という長い名前が与えられ、バビロンは終わりの時代まで神と敵対する関係にある国として登場します。モーセの杖(出4:20)、アロンの杖(民17:8)、アハシュエロス王の笏(エステル8:4)など、杖と笏はどちらも高い位置にある者が持つもので、それが折られることは権威を失墜することを示しています。その理由が「高慢」で す。「暁の子(12)」と呼ばれる者は、「いと高き方のようになろう」と心の中で言った(13-14)、とあります。口にしたわけではありません。また実行したわけでもありません。まだ心の中の思いの話です。人ならば舌を制御することに気を付けなければなりませんが(ヤコ3:8)、結局、口から出る言葉の源は心なのです。