モアブに対する宣告

イザ15:1「モアブに対する宣告。ああ、一夜のうちにアルは荒らされ、モアブは滅びうせた。ああ、一夜のうちにキル・モアブは荒らされ、滅びうせた」
モアブと言えばケモシュの民と呼ばれるほど異教の神を信仰する民でした(民21:29)。それでもそのルーツは、アブラハムの甥のロトで、イスラエルにとっては親戚関係の部族でした(創11:31)。それゆえ大飢饉がおきたとき、モアブに避難したことがルツ記の最初に書かれています(ルツ1:1)。ルツはもちろんダビデの曾祖母で、イエス様の祖先です(マタ1:5)。またソロモンはエジプトのパロの娘(1王9:16)、アモン人、エドム人、シドン人、ヘテ人に加えてモアブ人の妻も持っていました(1王11:1)。このように、ダビデ、ソロモンの直径の血筋にモアブがあり、決して無視できない隣国でした。しかし、彼らの信仰するケモシュのゆえに、神は怒りの手を伸べ彼らの滅びを宣告するのです。エドム、モアブ、アモン、アラム、ペリシテはイスラエルを囲む国々で、いつの時代でも戦争が絶えませんでした。モアブは現在のヨルダンにあたり、ヨルダンは第一次中東戦争イスラエルとの裏取引でパレスチナの土地を奪取しました(1950年)。現在もイスラエルパレスチナは争い、歴史が2000年経っても同じ争いが同じ場所で繰り広げられているのです。