人の心は何よりも陰険

エレ17:9「人の心は何よりも陰険で、それは直らない。だれが、それを知ることができよう」
「陰険」という訳は、新改訳ではここだけです。口語訳では「よろずの物よりも偽るもので」とあり、新共同訳では「とらえ難く病んでいる」と訳されています。ヘブル語の「aqob(アコーブ)」は、旧約でも3回しか登場しない単語で、「汚す」とか「ゆがんだ」という意味があります。人には直ることのない生まれ持った性質があり、それが虚偽に満ち、汚れており、ゆがんでいるものならば最悪です。信じがたいことですが、誰が自分こそが正義で、間違ったことがないと言えるのでしょうか?ノアの時代には人の心は「いつも悪いことだけに傾く」とあり(創6:5)、パウロは肉の思いは「神に対して反抗するもの(ロマ8:7)」だと語っています。人の心が陰険であっても、主は人の心を探り、思いを調べ行ないの結ぶ実によって報いる(10)…と言われます。これは人にとっては朗報ですが、いざさばかれるときに誰一人として死を免れないのも事実です(ロマ6:12)。唯一イエス・キリストを信じる信仰だけが、神の義とされるのです(ロマ3:22)。