ネブカデネザル王は金の像を造った

ダニ3:1「ネブカデネザル王は金の像を造った。その高さは六十キュビト、その幅は六キュビトであった。彼はこれをバビロン州のドラの平野に立てた 」
60キュビトは、約26メートルの高さになります。前章のダニエルの夢の説きあかしが、像建設に深いかかわりがあります(2章)。夢の説きあかしの中で、金の像の頭はネブカデネザルを指すと言われ(2:38)、銀の胸と両腕、さらに青銅の腹とももは次の王国だと語られています(2:39)。それならばいっそ全身が金ならば自分の国は滅びないと考えたようです。ネブカデネザルは、歴史書ではネブカドネザル、聖書のほかの個所ではネブカデレザル(エレ21:2など)と表記されていますが、名前の頭「ネブ」はアッカド地方にある古くからの神の名前「ネブー」から来ています。そのように異教の神の名を持つ王は、ユダヤ人の神が夢を解き明かすとそれを信じ(2:31-45)、自分の像を拝まないと懲らしめ(14-15)、またユダヤ人 の神がメシャクたちを助けるとその神を褒めたたえる(26-29)という、心が定まらなず目先に左右される傾向がありました。金の像を作ったのも短絡的な発想で、ある意味単純で、ある意味素直な性格だと言えます。この王の心がふらつかずにきちんと信仰を持つには、言葉ではなく、実際に体験することだと神は知っていました。7年間理性を失ったのち、ある日突然理性が戻ってきます(4:31-34)。へりくだりを学んだ王は、天の王を賛美し、まことの神を知るのです(4:37)。