マタイ本人

マタ9:9「イエスは、そこを去って道を通りながら、収税所にすわっているマタイという人をご覧になって、「わたしについて来なさい。」と言われた。すると彼は立ち上がって、イエスに従った」
マタイが書いた福音書の中にマタイ自身が登場しています。この章は始まりは、イエス様が「自分の町に帰られた(1)」という書き出しからです。イエス様の町はカペナウムで、8章では、カペナウムにペテロの家があったことが書かれていますから、イエス様は手近なところから弟子を選んだことになります。マルコとルカの福音書には収税人「レビ」が出てきますが、マタイのことだと思われます(マコ2:14、ルカ5:27)。その他マタイが実際に何かをしたという記述は出てきません。唯一イエス様の昇天のときに立ち会ったことが書かれているだけです(使1:13)。しかし彼が収税人であることは、必ず書かれています。収税所にすわっていたのはなぜでしょう?やることが無かったから?…おそらく、人から相手にされていなかったからだと思われます。お金は持っていても、人から嫌われて、話相手もいない、ただポツンと収税所に取り残されて座っていたのです。人から嫌われる生活は嫌なものです。「仕事をやめたい、でもこれしかない」…イエス様がついて来なさい、と言ったのはまさに、マタイの人生の転換期だったと思います。イエス様のタイミングは完璧だったのです。