ベミヤミン門事件

エレ20:18「なぜ、私は労苦と苦悩に会うために胎を出たのか。私の一生は恥のうちに終わるのか」
エレミヤはベニヤミンの門につながれていたため、多くの人に鎖につながれているのを見られてしまいました。ベニヤミンの門は主の宮の上にあったとあるので(2)、かなり多くの人の往来があったと想像できます。そんな場所にさらされ、エレミヤは預言者としてとても恥ずかしかったと主に祈っているのです。なぜなら鎖につながれる前にはイスラエルに対する災いを預言していたからです(19:15)。神の言葉を預かるものが、門の脇で鎖につながれていたら権威失墜です。どんなに立派な教師であっても、鎖につながれ、人前にさらされるなら、人々はそんな教師の言うことなど聞かなくなるでしょう。鎖から解かれたとき、エレミヤはパシュフルに対して報復とも取れる預言をします(6)。そしてエレミヤは主から聞いたことを素直に語っただけなのに、恥ずかしい仕打ちを受けたと訴えます。「あなたが惑わしたから、わたしは惑わされた(7)」は、もともと年の若いエレミヤが預言者に選ばれたとき、主が勇気付けて預言者にしたことを言っているのだと思います(1:7)。いかにベニヤミン門の出来事が嫌だったかが伺い知れます。