ゲダルヤとイシュマエル

エレ40:16「しかし、アヒカムの子ゲダルヤは、カレアハの子ヨハナンに言った『そんなことをしてはならない。あなたこそ、イシュマエルについて偽りを語っているからだ』」
イシュマエルがゲダルヤを暗殺しようとしている噂は本当なのでしょうか?それともゲダルヤの言うように、イシュマエルの噂は偽りなのでしょうか?答えは次の章にすぐ現れます(41:2)。ゲダルヤの祖父は王に仕える書記で、幼いころから宮殿に出入りしていたと推測できます。同じヨシヤ王の時代に活躍した若きエレミヤとは小さいころから旧知の仲だったと思われます。ゲダルヤがユダの総督になったことは少なからずも、離散した人々には朗報だったはずです。王族だったイシュマエルは(41:1)、自分こそはユダの再興の際には王になる器だと思ったのでしょうか?王に仕えていたゲダルヤが総督になったことが妬ましく思えたのでしょう。ゲダルヤとしては別にユダを乗っ取ったわけでもなく、バビロンの下で総督を任ぜられただけのことです。王は目をえぐられ、捕囚にあっています。今さら反乱しても意味はないでしょう。それにもかかわらず、イシュマエルの心は妬みにかられたのです。いつの時代になっても、自分の保身を図るものは後を絶たず、火事場泥棒的な発想は人の心から離れていかないのです。