創世記6章 木のやにで塗りなさい

創6:14「あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とを木のやにで塗りなさい」

「木のやに」は、口語訳では「アスファルト」、新共同役と2017年訳では「タール」となっています。ヘブル語「koper(コフェル)」は松やにの意味もあるので、なにか油を含んだゲル状のものだと思われます。ゴフェルの木の正体はいまだに分かっていませんが、杉、松、もみ、黒檀などの諸説あり、多くの支持を得ているのがイトスギだという見解です。それは長300キュビト、約150メートルの船を作るには、なるべく長い木を切り出した方が浸水の恐れが少ないからです。それでも一本の木から取れる板は20メートルぐらいがいいところではないでしょうか。それらの木を組み合わせて、船を作るなら防水は大きな問題となります。大航海時代の船にも、松やになどの樹脂をぬって防水加工をしていました。神は船を木で作っただけでは水が浸水することがわかっていたので、コフェルを塗るように指示したのです。また、ノアの箱舟の絵画がいろいろな画家によって描かれていますが、最も安定した形は箱状にしたときだと最近の研究で分かってきました。研究者の実験では、箱状の船は89度までの角度の傾斜に耐えられ、どのような大きな波が来ても転覆することはほぼないそうです。聖書が神話だと決めつるける人もいますが、よく読んでみると科学的だったりするのです。