30勇士の最後の名前

2サム23:39「ヘテ人ウリヤ。全部で三十七人である」
「あの30人」は英語では「The Thirty」で、定冠詞つきの日本語ではちょっと訳しにくい言葉だと思います。しかし30人と言っている割には、37人だと書かれ、実際に数えてみると32の名前があり30とも37とも矛盾します。30人のかしらアビシャイとエホヤダのベナヤを入れるなら、34人になります。さらに32節の「ヤシェンの子ら」という複数形を4人に数えるなら全部で37人となりつじつまが合います。最後に名前があがっているのがウリヤです。バテ・シェバの夫でヘテ人(ヒッタイト)の傭兵でした。勇士たちはウリヤのような他民族からの傭兵が多く、ダビデの戦い方や勇姿を知り、腕自慢が集まってきたようです。トップの3勇士と30人の勇士はダビデのとっておきの兵士でした。当然ウリヤのことも知っていたと思います。ウリヤは戦争の最中、疲れて遠征から帰ってきたにも関わらず、まだ戦争は終わっていないから同胞の兵士と一緒に飲み食いします…と決してバテ・シェバのところに戻ろうとしませんでした(11:11)。さすが30勇士の一人、戦いに対する熱い思いが伝わってきます。このような大事な部下、しかも30人に数えられる勇士をダビデは自分の欲のために殺してしまったのです。