ヨブ12章 その御手のうちにある

ヨブ12:10「すべての生き物のいのちと、すべての人間の息とは、ヨブ12:10「すべての生き物のいのちと、すべての人間の息とは、その御手のうちにある」
「私にも、あなたがたと同様に、悟りがある(3)」と語ったのは、さすがにツォファルがヨブよりも若いのに、大胆にヨブを論破しようとしたことについて(11章)ヨブが少し苛ついているようにも見えます。地の獣も、空の鳥も、海の魚も主の御手によってなさったことを知らないものがあろうか?とヨブは反論しています(7-9)。何を悟ろうとも、主を理解したように思えても、その実は「あなたがたが死ぬと、知恵も共に死ぬ(2)」とあります。つまり、死んでしまえばあなたの悟りなどないのも同じだとヨブは訴えています。どんなに人生が安泰のように見えても、ひとたび神が打ち壊すと直せず(14)、人 を閉じ込められたら出れない(14)のです。ヨブは一連の出来事が神の許しの中で行われていることを知っていました。君主をさげすみ(21)、富ませた国を滅ぼし(23)、国の民のかしらの悟りを取り除かれ(24)たり、こういうことは神の裁量の中で起き得ることなのだとヨブは悟っています。友人3人を前に一歩も引かないヨブには、神との関係が3人よりも濃密だという自負があるように感じられます。