士師記7章 手で水をなめた三百人で

士7:7「そこで主はギデオンに仰せられた。「手で水をなめた三百人で、わたしはあなたがたを救い、ミデヤン人をあなたの手に渡す。残りの民はみな、それぞれ自分の家に帰らせよ」」
休憩していた1万人の民は、いよいよミデヤンとの戦いだろうと意気を揚げていたに違いありません。しかし、水飲みが終わったならギデオンからもう帰ってもよい…と言われるのです(8)。聖書を読んでいる者にはそれがなぜかがわかりますが、当の本人たちには寝耳に水です。主はそれほどまでに「慎重さ」を重んじました。それはギデオン自身が持つ性格でもありました。彼もまた主のご意向を確かめるために、羊の毛を使って2度も主に奇跡を要求しています(6:36-40)。主の使いをに出会い、それが本当に神からの使者だと分かっていても、さらにギデオンは主のご意思が本当であるかを確かめることをやめませんでした。この慎重さが今回のミデヤン人攻略には必要だったのだと思います。なぜならギデオンの取った作戦は角笛を吹き鳴らし、ツボを砕き、たいまつを燃やし突撃する奇襲攻撃だったからです(18-20)。奇襲のためには十分な準備と冷静な判断がなければ成功しません。果たしてギデオンの300人は慌てず、あせりもせず奇襲を見事に成功させました(21-23)。