士師記7章 同士打ちが起こるように

士7:22「三百人が角笛を吹き鳴らしている間に、主は、陣営の全面にわたって、同士打ちが起こるようにされた。それで陣営はツェレラのほうのベテ・ハシタや、タバテの近くのアベル・メホラの端まで逃げた」

やはりギデオンの300人の勇者だけでは、敵を驚かすことはできても、数に勝る相手を打ち負かすことまではできませんでした。ここで主のわざが働いています。それは、主の使いが敵陣に入って敵を打ち殺すようなやり方ではなく、「同士打ち(22)」が起きるように働きかけたのです。ミデヤン人としては夜番が交代したばかりで、しかも真夜中だったと書かれています(19)。奇襲としては最適な時間で、ミデヤン人は300人が角笛を鳴らし、たいまつを持っているようには見えなかったはずです。もっと大勢の敵が夜襲を仕掛けてきたと勘違いしたでしょう。起き抜けの判断力は鈍く、状況を判断し敵隊長が指示を出すには時間が限られていました。あたふたした状況をうまく主は利用して、同士打ちが起きるようにされたのです。混乱の中多くのミデヤン人は逃げ、オレブとゼエブもその中にいました(25)。イスラエルを苦しめていたミデヤン人の圧政は終わりました。ギデオンが生きているあいだ40年は穏やかであったと書かれています(8:28)。しかし、ギデオンが死ぬとまたバアルの神に心を移して、次のさばきつかさを必要とするのです。主は何度も繰り返す、主への裏切りを忍耐を持って見守っていました。