エステル4章 王のところに行く者は死刑

エス4:11「王の家臣も、王の諸州の民族もみな、男でも女でも、だれでも、召されないで内庭に入り、王のところに行く者は死刑に処せられるという一つの法令があることを知っております。しかし、王がその者に金の笏を差し伸ばせば、その者は生きます。でも、私はこの三十日間、まだ、王のところへ行くようにと召されていません」
前王妃ワシュティは王が会いたいという命令を拒んだゆえに、王の怒りを買いました(1:12)。しかし、そのときはどうやってワシュティをさばくのかがわからず、法令と裁判に詳しい者の意見を聞くのが慣例となっていました(1:13)。ワシュティは王の命令を拒みましたが、それが死罪に当たるとは判断されなかったのです(1:19)。ただし王妃の地位ははく奪されました(1:19)。今回のエステルの願いはワシュティとは逆で、王の面前に断りもなく立とうとしているのです。しかも、エステルはそれが死罪に当たる行為だということを知っていました。唯一、王が金の笏を差し出せば命は助かります(11)。エステルはどこかでこの知識を得たか、あるいは実際に死刑にされる場面に遭遇した可能性があります。王が法令を重んじることをよく理解したエステルが、命がけで自分の民族を救おうとしています。美貌だけでなく、知識も豊富で、勇気ある女性の鏡のような存在です。現在でも英語名「Esther」と名付ける親は多くいます。自分の娘に美しく、賢く、勇気ある女性であってほしいと願い、聖書の中でもトップ10に入る人気です。