エステル6章 私以外にだれがあろう

エス6:6「ハマンが入って来たので、王は彼に言った。「王が栄誉を与えたいと思う者には、どうしたらよかろう。」そのとき、ハマンは心のうちで思った。「王が栄誉を与えたいと思われる者は、私以外にだれがあろう」」
アハシュエロス王は常に側近の意見を聞き、気に入ればその進言通りにしていたようです。前王妃ワシュティの処分についても、側近へどうすべきか聞いています(1:15)。これは日本の国会の大臣答弁によく似ています。質問はあらかじめ配られており、官僚が用意した答弁を読み上げ、もしわからなければ後ろの席の官僚に尋ねる様子のことです。アハシュエロス王はエステルに対しては「国の半分でも(5:3)」という具体的な褒美を提示しているのに対し、自分の命を救ってくれた者にはどうやって報いればよいかわからなかったようです。そこで側近のハマンに聞いたのです。ここで面白いのはハマンが「王が栄誉を与えたいと思う者(6)」と聞いたときに、とっさに自分のことだと勘違いしたことです。うぬぼれて客観性に欠けるハマンのような人は現実にいます。そういう人はいわゆる「おめでたい」人で、周りから見る分には面白いですが、いざ自分に絡んでくると面倒くさいものです。おそらくハマンは実務をこなす賢い男だったのでしょうが、その性格は問題ありです。ハマンを反面教師として自分の行いにも気を付ける必要があります。