エステルの冷静さ

エス5:8「もしも王さまのお許しが得られ、王さまがよろしくて、私の願いをゆるし、私の望みをかなえていただけますなら、私が設ける宴会に、ハマンとごいっしょに、もう一度お越しください。そうすれば、あす、私は王さまのおっしゃったとおりにいたします」
エステルがいかに王妃の服を着ていたとしても、王からの好意を受けなければ死刑です(2)。アハシュエロスの口癖なのかどうかはわかりませんが、エステルに「王国の半分でも」やれるという言葉を3回も繰り返しています(3,6,7:2)。エステルが好意を得て、国の半分でももらえるという王の言葉ですぐにハマンに対して抗議し、ユダヤ人を救うことを王に訴えることもできたでしょう。しかし、エステルは次の日にもう一度来るように王に願いました。エステルはあせらず、期が熟し主が備えてくださる時間まで忍耐できる女性だったのだと思います。美人で聡明なエステルはまさしく才色兼備の言葉が相応しく、それでいてハマンを木にかけることをためらわない冷静さを持ったクールビューティーのイメージを受 けます(7:9)。それでも王の命令が撤回されたわけではなく、ハマンが死んだ後もエステルとモルデカイの努力は続きます。エステルは王の命令の撤回を涙ながらに願い、そのときも王は金の笏を差し出しエステルの願いを聞き入れました(8:3-5)。