伝道者の書6章 神が富と財宝と誉れとを与え

伝6:2「神が富と財宝と誉れとを与え、彼の望むもので何一つ欠けたもののない人がいる。しかし、神は、この人がそれを楽しむことを許さず、外国人がそれを楽しむようにされる。これはむなしいことで、それは悪い病だ」
「彼の望むもので何一つ欠けたもののない人」というのは、ソロモン自身のことではないでしょうか?あたかも第3者のような書き方ですが、ソロモンほど栄華を極めた者はいませんでした(マタ6:29)。ソロモンの飲むコップはすべて金で作られ、宮殿内の器はすべて純金だったとあります(1王10:21)。しかし、ソロモンによるなら富と財宝と誉れがあったとしても、ソロモン自身がそれらを楽しむことはなかったようです。世のすべての人が叶えたい望みを手に入れても、ソロモンは自分の人生が最高だったとは言わないのです。たとえ、子宝に恵まれても、一生の間に幸で満たされないのならむなしいと栄華を極めた男が証言しています(3)。イエス様が荒野でサタンから誘惑を受けたとき、この世のすべての国々とその栄華を見せられたとあります(マタ4:8)。もし、イエス様が誘惑に負けてその栄華を手に入れたいと思ったのなら、十字架もなかったでしょう。しかし、ソロモンを造られたイエス様ご自身がその栄華がむなしいことを知っておられました。悪魔にひれ伏し、手に入れた栄華(マタ4;8)で人は幸せになれません。悪魔に魂を売り、むなしさを手に入れることなどイエス様としては論外の誘惑だったのです