雅歌1章 私は日に焼けて、黒いのです

雅歌1:6「「私をご覧にならないでください。私は日に焼けて、黒いのです。私の母の子らが私に向かっていきりたち、私をぶどう畑の見張りに立てたのです。しかし、私は自分のぶどう畑は見張りませんでした」
「私の母の子ら」というのは、原文では「ben(ベン)」が使われ、息子という意味がありますから、男の兄弟、あるいは異父兄弟のことだと思われます。ケダルの天幕と書かれていますが、ケダルはイシュマエルの次男です(創25:13)。雅歌の中には女の出身は「シュラム」だと書かれています(6:13)。「シュラム」はソロモンの女性名詞で、「ミセス・ソロモン」の意味があります。この女は自分はぶどう畑に立たされ、日に焼けて黒いのだと言っています(6)。褐色色の肌が日に焼けると、さらにチョコレート色を濃くしたようになります。おそらく、ソロモンと言葉を交わしているこの女は、アラブ系の女で、何らかの理由で王宮に仕える女の一人だったと思われます。そのため王のうたげの際には着飾って王の前に出て、王から頬の飾り輪と首飾りが似合って、とても美しいと称されています(10)。ソロモンには700人の妻と300人の妾がいましたが(1王11:3)、このときは妻60人、そばめ80人と書かれています(6:8)。雅歌はソロモンが若年のころのものだとユダヤ教では信じられています。おそらく61人目の妻になるであろう、この女はソロモンの妻の中で本気で愛した女だと思います。