伝道者の書3章 すべての営みには時がある

伝3:1「天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある」
この言葉を3歳の子どもが言ったとしたらどうでしょう?まだ人生経験もなく、何が楽しく、美味で、快楽がどんなものかも知らない、さらに人を愛したり、裏切られたり、欺いたりしたこともない者には語れない内容だと思います。ソロモンがいつ伝道者の書を書いたかは聖書に書かれていませんが、いくつかのヒントはあります。その一つに、すでにエルサレムで王であったこと(1:12)が書かれています。また「快楽を味わってみるがよい…これもまた、なんとむなしいことか(2:1)」、という書き方も快楽を味わい尽くした者の言い方です。さらに「私は事業を拡張し、邸宅を建て、ぶどう畑を設け(2:4)」という表現も、すでに王であり王宮を建てたあとだとわかります。ソロモンの在位40年(1王11:42)の中で、様々な経験を通した結果として辿り着いた答えが「空の空(1:2)」だったのです。すべてがむなしいと感じたソロモンのさらなる悟りは、すべてには「時がある」ということでした(3:1-8)。ソロモンは「神のなさることは、すべて時にかなって美しい(11)」と悟り、個人の都合や利益に関係なく神のみわざは休むことなく続けられ、それのひとつひとつが結びつき、調和され、美しいものだと伝えています。「神のなさることはみな永遠に変わらない(14)」というのは、ソロモンが人生を通して知った最高の知恵であり、究極の悟りだったと思います。