創世記12章 そこに祭壇を築いた

創12:7「そのころ、主がアブラムに現われ、そして「あなたの子孫に、わたしはこの地を与える」と仰せられた。アブラムは自分に現われてくださった主のために、そこに祭壇を築いた」
祭壇を築いた記録はノアに続いて2件目です(8:20)。祭壇のヘブル語は「mizbeach(ミズベアック)」で、聖書に書かれている祭壇はすべてこの語が使われています。ノアのときもそうですが、ごく当たり前に主に感謝を捧げるときは全焼のいけにえを捧げるようになっています。一体、誰がそのようなことを教えたのでしょうか。ノアの子どもたち、セム、ハム、ヤペテの誰も祭壇を築いた記録はありませんし、全焼のいけにえを捧げた記述もありません。アブラムはシェケムで1つ、さらに移動してベテルとアイの間に来たとき、さらにもう1つの祭壇を築いています(8)。その際には「主の御名によって祈った(8)」とあります。聖書には、アダムに新しくセツが生まれますが、人々はこのころ主の御名によって祈るようになったことが書かれています(4:26)。おそらくセツの時代のころから、主の声が直接聞こえなくなったのではないでしょうか?人々は神を見ることも聞くこともできなくなり、せめて主の御名で神との交わりを続けていたのだと思います。それゆえにアブラムに主が直接語りかけたことは、驚きとともに、恐れと感謝の気持ちがアブラムにあり、祭壇を築くようになったのだと思います。