ヘブル3章 従おうとしなかった人たち

ヘブ3:18「また、わたしの安息に入らせないと神が誓われたのは、ほかでもない、従おうとしなかった人たちのことではありませんか」
ヘブル人への手紙は、「ヘブル人」つまりユダヤ人をターゲットにしています。まだクリスチャンになっていないユダヤ人は、「キリスト教」に対して懐疑的であり、イエスという人物をメシヤとして認めるかどうかが最大のポイントとなっていました。そのユダヤ人に対して、モーセを引き合いに出すことは勇気のいることです(2)。彼らにとって「過越し」こそ、最大の奇跡であり、彼らの歴史の原点だと考える者も多かったからです。モーセの時代、出エジプトをして荒野で40年間暮らしたことは、誰もが知ることです。そして、ヨシュアに導かれカナンの地に入れなかった人のこともユダヤ人には常識なのです。しかも、聖書にはなぜ40年待たされて、次の世代の人々が入れたかが書かれています。ここでは詩篇95篇の10-11節が引用されています。出エジプトした世代を嫌い、「彼らは、わたしの道を知ってはいない(詩95:10)」とあります。神に従おうとしない態度、すなわち不信仰が悲惨な結果になったことを強調しています(19)。これはヘブル書を通して語られているテーマです。家を大切にしたモーセを信じるのなら、神を大切にしたキリストを信じることもできるはずだと、訴えているのです。