詩篇105篇 彼らにさきがけて送られた

詩105:17「主はひとりの人を彼らにさきがけて送られた。ヨセフが奴隷に売られたのだ」
アブラハムとの約束、「わたしが示す地へ行きなさい(創12:1)」は、その通り実現しました。アブラハム、イサク、ヤコブと神の示されたカナンの地での生活が続きましたが、神のご計画で地上に飢きんが来ることになっていました。この詩編の書き方では、「主はひとりの人を彼らにさきがけて送られた(17)」という表現になっています。ヨセフが高慢になり、自分が夢見る者であることを自慢したのも、兄弟たちがその思いあがった態度を見て、ヨセフを殺そうとしたことも、神のご計画だというのです。人の心の激高や高慢になることも神はご存知で、そのような決して神から誉められるような態度でなくても、それを用いることができるのです。そしてユダヤ人の原点は、やはりアブラハムであり、そしてエジプト脱出の際に起こした多くの奇跡、また荒野でモーセを通して見せた数々の不思議なわざは、21世紀になっても語りつがれています。決して忘れてはいけないことが、ユダヤ人にあり、この詩編の歌い手は原点回帰を歌っています。そして、たとえ聖書を読む者がユダヤ人でなくてもイエス・キリストの十字架のゆえに覚えておくべきことだと思います。なぜなら私たちはユダヤ人と同様に、神の子どもとして数えられているのですから。