ヘブル9章 死んだとき初めて有効になる

ヘブ9:17「遺言は、人が死んだとき初めて有効になるのであって、遺言者が生きている間は、決して効力はありません」
「遺言」はギリシャ語「diatheke(ディアセケ)」が使われ、15節の「契約」と同じ単語が使われています。2000年前から自分の財産を死んだらどのように処分するかを、誰かと契約を結ぶ習慣があったようです。考え得るのは家族、親族、友人などと結ぶものです。例えば、ある人が10タラントの金を持っており、もし自分が死んだら兄弟にそれを譲ると契約するのです。今日でいう遺言にシステムは似ていますが、契約という形は日本のそれとは違っています。その人の兄弟は、自分の兄が死んだとき初めて10タラントを手にすることができるのです。ここでの死亡証書はイエス様の十字架のことです。「初めの契約のときの違反を贖うための死が実現したので(15)」とあるように、この契約は最初の契約の違反者全員に受け継がれるものです。律法は罪を浮きだたせてはくれましたが、律法自体が贖いではなく、罪を解決するものではありませんでした(ロマ3:20)。神とアブラハムは牛やヤギなどを2つに裂いた間を通って契約をしました(創15:9-18)。神との契約には血が伴うのです。それは契約が口だけのものでなく、たがわないために必要なものです。新しい契約はイエス・キリストの血でなされました(25)。