ヘブル8章 彼らの心に書きつける

ヘブ8:10「それらの日の後、わたしが、イスラエルの家と結ぶ契約は、これであると、主が言われる。わたしは、わたしの律法を彼らの思いの中に入れ、彼らの心に書きつける。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる」
これはギリシャ語からの訳なので、ヘブル語を訳したエレミヤ書には「彼らの時代の後に(エレ31:33)」という書き出しになっています。彼らの時代とはモーセが神と契約した時代のことです。最初の契約は石に刻まれました(出24:12)。しかし次の契約は石ではなく、心に書きつけられます。新しい契約は、具体的には目に見えません。目に見える文字ではなくなったからです。それが聖霊によって書かれるのは明白で、パウロは「文字は殺し、御霊は生かすからです(2コリ3:6)」という説明をしています。今までの律法は罪の意識を生じさせるものでしたが(ロマ3:20)、御霊による信仰はいのちを与えます。もう律法によっていけにえを捧げる必要はありません。新しい契約の時代になったからです。現代では神殿がなく、祭壇もないのでいけにえは捧げられていません。ユダヤ教徒が守るのはカシュルートと呼ばれる食事規定や、過越しや仮庵などの祭りが主なものです。ユダヤ人にも新しい契約は必要です。ヘブル人への手紙はまさにユダヤ人が知るべき、メシヤ、イエス・キリストの信仰であり、神が送ってくださった御霊のことが書かれているのです。