申命記6章 あなたの神、主を愛しなさい

申6:5「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」
エス様はこれを第1の戒めだとされました(マタ22:38)。モーセに授けられた2枚の石の板には十戒が書かれ(5:22)、この命令は板には書かれていません。また、イエス様が言われた第2の戒め「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ(マタ22:39)」は、レビ記からの引用で「復讐してはならない。あなたの国の人々を恨んではならない(レビ19:18)」と語られた後に命じられた者です。なぜ、十戒の最初に戒め「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない(5:7)」を第1の戒めとしなかったのでしょうか?それは「愛」という言葉の中に全ての意味が集約されているからだと思います。新約に入りイエス様は「愛」を説かれました。それはいけにえを捧げることでは、完全に罪を消し去ることができないからです(ヘブ10:11)。律法は十字架の贖いが完成するまでのひな型でした。人の罪が赦されるためには代価が必要で、罪の報酬は「死」ですから(ロマ6:23)、代価を支払うには死に値する何かが必要です。それが動物のいけにえでした。しかし、イエス様はご自分をその罪のために捧げ、十字架にかかられたので全ての罪は赦されたのです(ヘブ7:27)。いけにえが必要なくなったいま、神を愛することと人を愛することが律法の基軸になっています。しかも、これは新しい戒めではなく3000年以上前に書かれたものです。