出エジプト11章 モーセは怒りに燃えて

出11:8「あなたのこの家臣たちは、みな、私のところに来て伏し拝み、『あなたとあなたに従う民はみな出て行ってください』と言うでしょう。私はそのあとで出て行きます。」こうしてモーセは怒りに燃えてパロのところから出て行った」
モーセは地上の誰よりも謙遜だったとあります(民12:3)。そんなモーセが怒りに燃えてパロのところから出て行ったのは意外です。それほどパロの強情さは目に余り、何度も約束をたがわされたことにモーセの忍耐も限界だったのかもしれません。パロの命令によってイスラエルの民がエジプトから出て行くことは、もうなくなりました。エジプトのパロも民も泣いて「出て行ってください」と懇願するようになったら出て行きます、とモーセは言うのです。ものすごい捨てゼリフだと思います。9番目の災いの暗闇を経験した後もパロは「私の顔を二度と見ないように気をつけろ(10:28)」とモーセを脅しています。それに対してモーセも「結構です。私はもう二度とあなたの顔を見ません(10:29)」と答え、両者決裂の様子が描かれています。この段階で謙遜なモーセも相当な怒りを胸に秘めていることがわかります。もし、過ぎ越しが神によって実行されれば、パロと言えども強情を張ることはできなくなります。モーセはそのことも主から語られ知っていました。もうせーせの心には「寛容」の文字はありません。主のご計画に従って、エジプトの初子が死に彼らに頼まれて出て行くしかないのです。