詩篇91篇 その翼の下に身を避ける

詩91:4「主は、ご自分の羽で、あなたをおおわれる。あなたは、その翼の下に身を避ける。主の真実は、大盾であり、とりでである」
詩篇91篇に出てくる「あなた」を文字通り「自分」にあてはめることもできますが、どうやらこの詩は特定の「あなた」を指して歌っているようです。それは「わたしを愛している(14)」人で、「わたしの名を知っている(14)」人です。「彼を高く上げよう(14)」は、普通の人には使われない表現で、王かそれに匹敵する人だけに使われるものです。もし、この詩が来るべきメシアが受けられる主の保護の約束だとするなら、イエス様の受けられたサタンの誘惑の意味がわかってきます。サタンは誰にでもこの誘惑が出来たわけではありません。詩篇91の11と12節「神は御使いたちに命じて、その手にあなたをささえさせ、あなたの足が石に打ち当たることのないようにされる」は、メシア、キリストのみにできた誘惑です。サタンがイエス様にした最初の誘惑には「あなたが神の子なら(マタ4:3)」という条件が付いていました。次の神殿の頂から身を投げろ、という誘惑には、メシアだけに約束された詩篇91篇を証明してみよ、という意味が込められていたのです。しかし、イエス様は主の翼の下に身を避けられました。御ことばに御ことばを持って返したことがクローズアップされますが、父なる神に身を避けられたことこそ、この詩編の成就となったのです。