出エジプト12章 そして私のためにも祝福を祈れ

出12:32「おまえたちの言うとおりに、羊の群れも牛の群れも連れて出て行け。そして私のためにも祝福を祈れ」

今回こそ本当にヘブル人はエジプトを出ることができます。パロ自身の長子も亡くなっており(29)、パロは絶望と怒りでモーセに「出ていけ(31)」と言うのです。モーセの提案の中には三日の道のりを行き主に捧げものをしたら戻ってくるというのもありました(8:27)。その提案はパロの心にも響いたようで、三日ならモーセたちを行かせても良いと思っていました(8:28)。しかし、あぶがエジプトから離れると心をかたくなにしてモーセたちを行かせなかったのです(8:32)。このときにもパロは「私のために祈ってくれ(8:28)」と言っています。民が苦しみ、国が傾きかけているのにパロの考えていることは自分のことだけでした。そして、自分の子どもが殺され、全エジプトが失意のどん底にあっても、「私のために祝福を祈れ(32)」とあくまでも自分中心の考えをやめません。その背景には、モーセとアロンの信じる神には確かに力があり、本当に意志を持った神がいるのだと感じていたからだと思います。その神がエジプトを救うこともできると感じていても、エジプトの祝福のためでなく、パロ自身の祝福を願っていたのです。10の災いのあいだに、どれだけエジプトがダメージを受け疲弊していたかは、彼には関係なかったのです。